残業代の計算の仕方を知ろう

時間外労働が日常茶飯事な看護師にとって、残業代は報酬を大きく左右するものです。自身の残業代がいくらなのかは、しっかり計算しておいた方が良いでしょう。まずは、月給から時給を割り出しましょう。時給は、月給÷1ヶ月あたりの平均所定労働時間で出すことができます。所定労働時間や所定労働日数は、就業規則や契約書に載っているため、確認してみてください。

時給を計算した後は、法定労働時間を超えた残業がどれくらいあるのかを確認します。法定労働時間とは、1週40時間、1日8時間以内の労働時間のことです。この時間を超えて働いた分は、すべて法定外残業となります。残業した場合の割増率は25%なので、休憩時間を除く1日の実働時間が10時間の場合は、2時間が残業となります。たとえば時給が1,500円の場合、1,500×1.25=1,875なので、1時間あたりの残業代は1,875円です。2時間の残業で3,750円となります。

法定外残業かつ深夜残業(夜10〜翌朝5時)をした場合は、深夜残業の手当が25%なので、上乗せされて割増率は50%となります。たとえば10時出社で夜11時まで働いていた場合(休憩1時間を想定)、12時間労働となるため、法定外残業かつ深夜残業となります。時給が1,500円の場合、(1,500×1.25×3)+(1,500×1.5)=7,875、残業代は7,875円です。

日本には、現場スタッフが自ら進んで残業を行ったという「みなし残業」を、暗黙の了解で強いるような職場が少なくありません。しかし、それは雇用者の搾取であり、労働力の泥棒といっても過言ではありません。妥協して、なあなあにせず、自身の権利をしっかり守る姿勢を持ちましょう。